不動産売却の免税事業者の損しない戦略!
2025/05/06
「不動産を売却する際、免税事業者のままで本当に大丈夫だろうか?」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特に2023年から本格導入されたインボイス制度により、「免税事業者=不利」というイメージが広がりつつあります。実際に、買主側がインボイスの発行を前提に契約を進めた結果、免税事業者との取引が敬遠されるケースも少なくありません。
「消費税を請求しても良いのか」「インボイスがないことで不利になるのか」「還付は受けられるのか」──こうした疑問に正確に答えるには、消費税法や課税制度の基本、さらに不動産売却に関連する最新制度を正しく理解する必要があります。
この記事では、不動産売却を検討している免税事業者の方に向けて、「課税事業者への変更の可否とメリット」「免税のままでいる場合のリスク」「還付を狙う場合の手続きや制度戦略」など、専門的かつ実践的な内容を網羅的に解説します。国税庁の見解や制度の背景にも触れながら、あなたの不動産取引に最も有利な選択肢が見つかるよう、丁寧にガイドします。
株式会社リブレクトは、不動産売却を専門にサポートするエージェントです。売主様の利益を最大化するため、魅力的な販売資料の作成や広範な情報発信を行い、多くの購入希望者にアプローチします。また、築年数が経過した物件でもリフォームや再建築のプランを提案し、価値を引き出します。高値売却・費用節約・早期売却の3つのプランをご用意し、お客様に最適な売却方法をご提案いたします。不動産売却なら、株式会社リブレクトにお任せください。

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目次
不動産売却における「免税事業者」とは?
免税事業者の定義と仕組み!個人・法人で異なる条件
免税事業者とは、消費税法に基づき、一定の条件下で消費税の納税義務が免除される事業者を指します。これは主に、前々年度の課税売上高が1,000万円以下であることが基準です。この制度は、零細企業や個人事業主など小規模な事業者の税務負担を軽減する目的で設けられています。
個人と法人では、免税事業者としての扱いにいくつかの違いがあります。例えば、個人事業主の場合は毎年1月1日時点での前年の課税売上高に基づいて判定されますが、法人では事業年度ごとの売上によって判定されます。また、新設法人は設立初年度については特例が適用され、資本金1,000万円未満であれば原則として免税事業者としてスタートできます。
一方、売上高が1,000万円を超えると、課税事業者として翌々年から消費税の納税義務が生じます。これにより、売上が成長し始めた企業にとっては、免税事業者から課税事業者への移行が避けられない重要な節目です。
次に押さえておくべきは、免税事業者であっても「消費税を請求してはいけない」というわけではないという点です。顧客との契約において税込価格で取引することは可能ですが、受け取った消費税相当額を納税する義務はありません。しかし、2023年10月から導入されたインボイス制度により、免税事業者は適格請求書(インボイス)を発行できないため、取引先から敬遠されるリスクも指摘されています。
このように、免税事業者としてのメリットは存在する一方で、制度を正しく理解しておかないと、不動産売却時に思わぬ税務トラブルに巻き込まれる可能性があります。特に不動産は高額取引であり、消費税の影響も大きいため、免税事業者としての立場をきちんと把握しておくことが極めて重要です。
以下の表に、免税事業者の要件と課税事業者との違いを個人・法人別でまとめました。
| 事業者区分 | 対象年度の売上基準 | 消費税の納税義務 | 請求書の発行 | インボイス発行可否 |
| 個人事業主 | 前々年の課税売上高が1,000万円以下 | なし | 任意(税込請求は可能) | 不可 |
| 法人 | 設立2期目以降で前々事業年度売上1,000万円以下 | なし | 任意 | 不可 |
| 課税事業者 | 売上1,000万円超 | あり | 必須(税区分の明示が必要) | 可 |
免税事業者と課税事業者の違いを不動産売却目線で整理
免税事業者と課税事業者の最大の違いは、「消費税の納税義務があるか否か」にあります。これが不動産売却に与える影響は極めて大きく、特に売却価格が数千万円単位となる不動産取引においては、消費税の取り扱いが数十万〜数百万円規模の違いとなって現れます。
免税事業者は、取引先から消費税相当額を受け取ったとしても、それを納税する義務がありません。つまり、理論上は売却額に対して上乗せされた消費税分が手元に残る形になります。しかし、これは法律上問題があるわけではないものの、取引の透明性が重視される傾向にあり、買主側からの信頼性低下や値下げ交渉の要因になることがあります。
一方、課税事業者は、売却時に受け取った消費税を国に納税する必要がありますが、その代わりに仕入税額控除(たとえば、不動産取得時や修繕費用にかかった消費税分の控除)を受けることが可能です。つまり、事業者としての計画的な経費計上や損益計算を行う前提であれば、課税事業者の方がむしろ税制面で有利になるケースも少なくありません。
具体的に不動産売却時に影響を受ける主な項目は以下の通りです。
| 項目 | 免税事業者 | 課税事業者 |
| 消費税の納税義務 | なし | あり |
| インボイス発行 | 不可 | 可 |
| 消費税分の上乗せ請求 | 可(納税義務なし) | 可(納税義務あり) |
| 仕入税額控除 | 受けられない | 受けられる |
| 不動産取得時の経費処理 | 全額自己負担 | 消費税分は控除可能 |
特に注目すべきなのは、売却価格に消費税を含めるかどうかという点です。免税事業者が税込価格で販売しても、税務署は消費税の納付を求めませんが、契約上で「税抜き価格+消費税」と明記していた場合、買主に誤解を与える恐れがあります。このようなトラブルを避けるためにも、売却契約書の表記や説明文言には慎重さが求められます。
不動産売却時に影響を受ける税法・関連制度
不動産売却時に影響を与える法制度は、消費税法だけではありません。複数の税法や制度が関わるため、免税事業者として不動産売却を検討する際には、それぞれの制度を俯瞰的に理解することが求められます。
以下に、売却時に関係する主な税制とその概要を整理します。
| 法制度 | 対象内容 | 影響ポイント |
| 消費税法 | 建物にかかる税の課税・非課税判断 | 免税事業者でも事業用建物売却には注意が必要 |
| 所得税法 | 売却益に対する譲渡所得課税 | 課税対象となる場合、申告と納税が必要 |
| インボイス制度 | 適格請求書の発行義務 | 免税事業者は発行不可。取引相手に影響 |
| 法人税法 | 法人の所得に関する課税 | 売却益がそのまま法人課税対象となる |
| 国税通則法 | 税務署対応・納税義務者の特定 | 過去の処理不備による修正申告等の対応が生じる場合もあり |
この中でも、特にインボイス制度の影響は大きく、中小企業や個人事業主にとって大きな関心事です。免税事業者が請求書を発行しても、買主は仕入税額控除を受けられないため、取引先との信頼関係に悪影響が出るケースも多発しています。
また、所得税法の観点では、売却によって得られた利益が「譲渡所得」として扱われます。これは消費税とは別に申告・納税が必要であり、特例措置(居住用不動産の3,000万円控除など)が適用される場合もありますが、免税事業者であるかどうかは直接影響しません。
免税事業者が不動産を売却すると消費税はかかる?
事業用と居住用で異なる「課税・非課税」の判断基準
不動産売却時における消費税の課税・非課税の判断は、その物件が「事業用」か「居住用」かによって大きく異なります。免税事業者であっても、物件の用途によっては消費税が発生するケースがあるため、正しい分類と税務上の理解が不可欠です。
まず前提として、土地の譲渡は消費税法上「非課税」と定められています。つまり、土地だけの売却であれば、事業用か居住用かを問わず消費税はかかりません。一方で、建物の譲渡については「課税取引」とされており、その用途によって判断が分かれます。
居住用不動産、すなわち自己または家族の住居として使用していた物件を売却する場合、通常は「非課税」となります。これは国税庁のガイドラインに基づいており、個人が生活のために所有していた住宅は、営利目的でない限り消費税の対象外です。
これに対して、事業用不動産とは、オフィス・店舗・工場・事務所などの「事業の用に供されていた」建物を指します。これらの売却は、免税事業者であっても消費税の課税対象になります。特に、過去に事業収入を得ていた建物や、事業資産として帳簿管理していた不動産は、課税物件として取り扱われることが多く、売却時に課税関係が発生する可能性が高くなります。
課税対象の判断において、最も混同が生じやすいのが「併用住宅」や「賃貸併用住宅」です。たとえば、1階が店舗で2階が住居のような物件の場合、全体のうちどの程度が事業用として使用されていたかにより、課税割合が決まります。これについては、次章の「按分処理」にて詳細を解説します。
消費税の課税・非課税の判断基準をより明確にするため、以下のような分類が参考になります。
| 物件の用途分類 | 消費税課税の有無 | 説明 |
| 自己居住用住宅 | 非課税 | 自分または家族が生活していた住まい(非営利) |
| 賃貸住宅(住宅用) | 非課税 | 賃借人が居住することを目的とした建物 |
| 賃貸住宅(事業用・テナント) | 課税 | 店舗や事務所としての賃貸物件 |
| 自社オフィス・事業拠点 | 課税 | 自社の営業活動に使用されていた建物 |
| 工場・倉庫 | 課税 | 製造・保管などの事業用施設 |
| 空き家(過去に事業利用) | 課税可能性あり | 元事業用の場合は帳簿・使用履歴から判断されることがある |
土地と建物の扱いの違い!按分処理とは何か
不動産売却における消費税の重要な論点の一つに、「土地と建物の按分(あんぶん)処理」があります。これは、建物部分は課税対象である一方、土地部分は非課税であるため、売買金額をどのように分けるかが実務上の大きな焦点となるからです。
まず、消費税法における大前提として、「土地の譲渡は非課税」「建物の譲渡は課税」と明記されています。したがって、土地付き建物の売却を行う場合は、その総額から土地と建物を分離し、それぞれに税務上の処理を施す必要があります。
では、どのようにして按分すべきか。最も一般的な方法は、次の2つです。
- 固定資産税評価額を基にした按分
- 売買契約書に明記された割合に基づく按分
売買価格を明確に按分しておくことで、売主・買主双方の税務リスクを回避できます。また、税務署の確認や万一の調査時にも、適正な処理を示す材料となります。
注意点としては、売買契約書に按分が明記されていない場合、自動的に「固定資産税評価額の比率」で算出されることが多く、その場合、意図しない高額な消費税納税が発生する可能性もあります。
さらに、按分処理は課税事業者・免税事業者いずれにとっても極めて重要です。免税事業者であっても、買主が課税事業者である場合、「建物価格に消費税が含まれていない」ことを理由に減額交渉されることがあります。事前に適切な按分と書面整備を行うことが、交渉力と信頼性の確保に繋がります。
実務上は以下の3点が重要です。
- 建物と土地の価格を明確に分けて契約書に記載する
- 按分の根拠として固定資産税評価額または不動産鑑定士の評価を使用する
- 消費税がかかるのはあくまで建物部分であると契約書上でも明示する
このような対応により、売却後の納税義務、買主との契約トラブル、税務調査対応の全てに備えることが可能になります。
課税対象となる代表的な売却ケース(オフィス・店舗・併用住宅)
不動産売却時に消費税の課税対象となりやすい物件には一定の傾向があります。特に、事業で使用されていたオフィスや店舗、または住居と事業スペースを兼ね備えた併用住宅などは、売却に際して消費税の申告と納税が必要になる可能性が非常に高くなります。
まず、典型的な課税対象の物件は以下の通りです。
- 自社で営業拠点として使用していたオフィス
- 自営店舗(飲食店、美容室など)
- 貸店舗、テナント物件
- 事業で利用していた倉庫、工場
- 1階が店舗、2階が自宅などの併用住宅
このような物件に共通しているのは、「建物が事業用として使用されていた」ことです。税務上はその利用実態に基づいて課税・非課税が判断されるため、形式的に「自宅」として登記されていても、実態として店舗などであれば課税対象になる点に注意が必要です。
免税事業者でも消費税を受け取って良い?
免税事業者は消費税を請求できるのか?実務上の正解
免税事業者が消費税を請求できるかという問題は、法律的な原則と実務上の慣習の両方から解釈する必要があります。結論から言えば、免税事業者であっても取引先に対して税込価格で請求することは可能です。ただし、その際にはいくつかの重要な注意点があります。
まず、消費税法上、免税事業者は前々年度の課税売上高が1,000万円以下であるなど一定の条件を満たした場合、消費税の納税義務を免除されます。このため、消費税を「受け取っても納める必要がない」立場となります。しかし、消費税分を取引価格に含めて請求する行為自体は違法ではありません。
実務では、請求書に「税込価格」あるいは「一式」などと記載して、内訳を明確にしないケースが多く見られます。この方法であれば、消費税相当額を含んだ請求が可能です。ただし、「消費税○○円」と明確に記載した場合には、買主側がその金額を仕入税額控除の対象と誤認する可能性があり、後々の税務トラブルにつながる恐れがあります。
取引相手が課税事業者である場合、適格請求書(インボイス)が必要となりますが、免税事業者はこの発行ができません。したがって、以下のような誤解を招く記載には注意が必要です。
誤った記載例:
- 消費税(10%):100,000円
- 税抜価格:1,000,000円+消費税:100,000円
適切な記載例:
- 合計金額:1,100,000円(税区分の記載なし)
- 一式:1,100,000円(インボイス対象外)
このように、免税事業者が消費税分を上乗せするかどうかは、「税込価格での請求」と「消費税の明示」の違いに起因します。前者は合法であり後者は誤解を招くリスクがあるため、適切な対応が求められます。
実務上の判断を明確にするため、以下を参考にしてください。
| 請求方法の形式 | 消費税の記載 | 税務上の問題リスク | 取引先の理解度 | 実務での安全性 |
| 税込価格で一式請求 | 記載なし | 低 | 高 | 高 |
| 税抜+消費税額を明記 | 明記あり | 高(誤認リスクあり) | 低 | 低 |
| 適格請求書(インボイス) | 発行不可 | 違法ではないが発行不可 | 要注意 | 不可 |
このように、免税事業者は請求方法を慎重に選ぶことで、法的リスクと実務トラブルの双方を回避できます。また、売主として信頼性を保つためにも、あらかじめ取引先に対して免税事業者である旨を伝え、請求方法や税区分についての理解を得ておくことが重要です。
インボイス制度下での書類整備
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、多くの中小企業や個人事業主にとって影響の大きい制度です。免税事業者は適格請求書(インボイス)を発行することができないため、売買取引の際に特有のリスクを抱えることになります。
インボイス制度の本質は、課税事業者が仕入税額控除を適用するために、取引先から交付されるインボイスの保存が必須になるという点にあります。免税事業者が発行する請求書は「インボイス」ではないため、買主側は消費税控除を受けられません。
これは不動産売買にも影響します。例えば、法人が個人の免税事業者から事業用不動産を購入する場合、建物価格に含まれる消費税相当額について控除ができなくなるため、結果的に「実質的なコスト増」となり、価格交渉や取引の断念といった事態にも発展しかねません。
この点を明確にするために、以下のテーブルでリスクを整理します。
| 取引内容 | 売主(免税事業者) | 買主(課税事業者) | インボイス発行可否 | 買主の控除可否 | 実務リスク |
| 居住用建物の売却 | 可 | 可 | 不可 | 控除不可 | 問題なし |
| 事業用建物の売却(売主が免税) | 可 | 可 | 不可 | 控除不可 | 買主が値引きを要求する可能性 |
| 事業用建物の売却(売主が課税) | 可 | 可 | 可 | 控除可能 | 問題なし |
免税事業者は、今後も継続して不動産取引を行う予定がある場合や、取引先が主に法人や課税事業者である場合には、課税事業者への転換を検討することも重要です。
また、書類整備に関しては以下のポイントに注意してください。
- 請求書に「インボイス未対応」であることを明記する
- 税区分を明示せず「一式」や「総額」で記載
- 契約書にもインボイス非対応の旨を記載しておく
買主との信頼関係を維持するためにも、請求書の文面や契約条項における説明責任を果たす必要があります。たとえば、以下のような文言が推奨されます。
「本取引において、売主は免税事業者であり、適格請求書(インボイス)の発行は行っておりません。買主におかれましては、仕入税額控除の適用ができない旨、あらかじめご了承願います。」
このように、書類の整備と情報の明示を徹底することで、免税事業者としての立場を維持しつつも、不要なトラブルや誤解を避けることが可能になります。
誤って消費税を受け取った場合の対応フロー
免税事業者が消費税を請求し、受け取ってしまった場合、その処理には慎重な対応が求められます。なぜなら、法律上は納税義務のない事業者が消費税を徴収した時点で、トラブルの原因になり得るからです。
まず前提として、免税事業者は消費税を請求しても納税義務はありませんが、「消費税として明示的に受け取った金額」は、実質的に預かり金と見なされることがあります。このため、消費税を誤って受領した場合には、返金または修正処理が必要になる可能性があります。
想定される誤りと対応方法は以下の通りです。
| 誤りの種類 | 対応内容 | 注意点 |
| 消費税額を明示して請求・受領 | 相手に返金または合意のうえ税込総額処理へ変更 | 税区分記載の削除・再発行が必要 |
| インボイス対応と誤認された請求書を発行 | 誤認を訂正し、インボイス未対応であることを通知 | 請求書の差し替え・契約書の見直しが必要 |
| 消費税分を売上に計上した | 税務署に相談し、不要な納税が発生しないよう調整 | 修正申告や収益修正処理を行うことも検討 |
返金の有無にかかわらず、まず取引先との合意形成が最優先です。一方的な返金や請求書の訂正は、信用問題や契約違反とされる可能性があるため、必ず事前に連絡を取り、書面で記録を残すことが推奨されます。
さらに、消費税を売上として処理してしまった場合には、以下のような選択肢があります。
- 売上修正による帳簿再作成
- 税務署への修正申告(税務リスクがある場合)
- 税理士の指導を受けて是正対応を取る
インボイス制度の影響で「消費税に関する誤解や請求書の不備」がトラブルの引き金になっており、国税庁や公的機関からの注意喚起も増えています。免税事業者であっても、消費税処理には最新の制度理解が欠かせません。
誤って消費税を請求した場合の基本的なフローチャートは以下の通りです。
- 誤りを認識
- 取引先へ事実説明と謝罪
- 合意の上で訂正処理(返金または文言修正)
- 請求書再発行・帳簿修正
- 税務署対応(必要があれば)
このように、実務でありがちな「うっかり」でも、正しい知識と段取りで対応すれば、大きな問題になる前に収束させることが可能です。信頼関係を保ちながら、制度の枠内で誠実に対応することが、免税事業者としての信用を守る鍵となります。
免税事業者が不動産売却時に選択すべき戦略
あえて課税事業者になるメリットと還付の仕組み
免税事業者であっても、あえて課税事業者になることは一定の戦略性があります。特に不動産売却においては、「消費税還付」を受けられる可能性があるため、経済的なメリットを享受できる場面が存在します。ここでは、課税選択の意義と還付の実務的な仕組みについて明確に解説します。
まず、基本的な仕組みとして、課税事業者になると、仕入れ時に支払った消費税を売上に対する消費税から控除する「仕入控除制度」が適用されます。
以下のような条件をクリアしておく必要があります。
- 課税事業者選択届出書を提出していること
- 原則課税方式を採用していること(簡易課税方式では還付は原則不可)
- インボイス制度に対応した請求書や帳簿を整備していること
特に、インボイス制度施行後では、適格請求書発行事業者であることが大前提となります。
また、不動産を取得した期と売却した期が異なる場合、仕入税額控除の制限がかかるケースもあり、消費税法や通達の読み込みと税理士のサポートが不可欠です。節税の観点ではありますが、知識と計画性がなければ、還付が受けられない、あるいは想定以上に税務リスクが発生するおそれもあるため注意が必要です。
免税のままでいることで生じるリスクと不利益
免税事業者でいることは一見すると「消費税の申告義務がない」という点で楽に見えますが、不動産売却においてはむしろ不利になる可能性が高いです。インボイス制度が導入されて以来、この傾向はより顕著になっています。
まず、買主が法人や課税事業者である場合、「仕入税額控除」を受けるためには、売主が「適格請求書発行事業者(=課税事業者)」でなければなりません。免税事業者は適格請求書を発行できないため、買主にとって不利益になります。
以下に免税事業者が買主に与える影響をまとめます。
| 買主の立場 | 免税事業者の不利な点 |
| 法人 | 仕入税額控除ができず、実質的な取得コストが高くなる |
| 金融機関との融資 | 融資審査において、契約の透明性・税務リスクの観点から懸念材料になる場合がある |
| 投資家 | リセール時のインボイス発行制限を嫌がるケースがある |
このような背景から、近年は「免税事業者との取引を控えたい」とする買主が増えており、不動産仲介業者でも「課税事業者の方が売れやすい」と説明されることが多くなっています。
さらに、税務署による実地調査で免税事業者の請求書対応や適用範囲が厳しくチェックされるケースが出ており、制度面でも不安定さが残ります。
売却価格が1億円を超えるような物件や、テナント付き物件などでは、買主が法人であることも多く、インボイス対応が必須であることを念頭に置くべきです。結果として、免税事業者でいることは「選ばれにくい売主」としてリスクを背負うことになりかねません。
将来の不動産購入・売却を見据えた制度戦略
不動産売却は単発のイベントに見えますが、将来的な購入や投資計画を視野に入れた「長期的な制度設計」が極めて重要です。特に免税事業者である場合、今後の課税事業者への移行や、物件の取得・転売時のインボイス対応をどう進めるかによって、税負担が大きく変わってきます。
たとえば、以下のようなパターン別に制度戦略を考えてみましょう。
| 将来の行動パターン | 推奨される制度戦略 |
| 今後も不動産を取得・売却し続ける予定がある | 課税事業者に変更し、インボイス対応を整える |
| 今回限りの売却で、投資予定もない | 免税事業者のまま、シンプルな申告体制を維持 |
| 投資家・法人向けに売却する見込みが強い | インボイス発行可能な課税事業者に登録することが望ましい |
| 高額物件・テナントビルを複数保有している | 課税選択+原則課税制度による還付・控除を最大化 |
これらの判断軸には、「不動産取得費」「保有期間」「売却益」などの具体的なファクターが関わってきます。仮に大規模な物件を高額で取得した場合、仕入れ時に多額の消費税を支払っているため、課税事業者になればその分の還付が受けられる可能性が生まれます。
一方で、年間売上が1,000万円以下の小規模事業者であれば、あえて免税のままにしておき、売却価格を上乗せしないことで、価格競争力を維持するという考え方もあります。
大切なのは、「どの制度を選ぶか」ではなく、「自社の状況や目的に応じて制度を活用する視点」です。制度の選択は毎年見直すことが可能であり、届出書の提出タイミングや課税方式の切り替え時期にも戦略性が求められます。
不動産取引に強い税理士と連携し、長期的な資産形成と節税の両立を図るためにも、制度の正しい理解とタイミングを逃さない運用が鍵となります。
まとめ
不動産売却を検討する免税事業者にとって、消費税の扱いやインボイス制度の影響は見逃せない重要課題です。インボイス制度により、取引先との契約条件や信頼性の面で、免税のままでいることがリスクになりつつあります。実際、国税庁の公式見解によれば、免税事業者が適格請求書(インボイス)を発行できないことにより、課税事業者である買主側が消費税控除を受けられなくなるため、契約を敬遠される事例も増えています。
また、不動産購入時に支払った消費税を還付する戦略を採るには、「課税事業者」への変更を前提とした計画的な税務設計が求められます。とくに還付を受けるためには、課税売上割合や帳簿書類の整備、適正な申告タイミングなど、専門知識が不可欠です。不備があると、還付どころか追徴課税のリスクも生じかねません。
こうした背景をふまえると、「課税事業者に転換すべきか」「免税のままでメリットがあるのか」を検討する上で、自身の事業の将来性や取引関係、不動産の用途をトータルに捉える視点が欠かせません。特に、今後も継続して不動産の購入・売却を行う予定がある場合や、取引先が法人中心である場合には、戦略的な課税事業者選択が有効となるケースもあります。
最後に、不動産売却に関する消費税の取扱いや課税制度の選択は、税理士や専門家への相談が不可欠です。国税庁や消費税法に基づく最新情報を踏まえ、誤った判断を回避することが「損失回避」の第一歩となります。税制の変化が激しい今だからこそ、正しい情報と適切な対応が、後悔しない不動産取引の鍵を握っています。
株式会社リブレクトは、不動産売却を専門にサポートするエージェントです。売主様の利益を最大化するため、魅力的な販売資料の作成や広範な情報発信を行い、多くの購入希望者にアプローチします。また、築年数が経過した物件でもリフォームや再建築のプランを提案し、価値を引き出します。高値売却・費用節約・早期売却の3つのプランをご用意し、お客様に最適な売却方法をご提案いたします。不動産売却なら、株式会社リブレクトにお任せください。

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よくある質問
Q. 不動産売却で免税事業者が消費税を受け取ると違法になりますか?
A. 免税事業者が消費税を請求して受け取ること自体は違法ではありませんが、適格請求書(インボイス)を発行できない以上、取引先である買主側が仕入税額控除を受けられず、トラブルにつながるケースが多発しています。特に令和5年のインボイス制度導入以降、課税事業者からの購入を優先する買主が増えており、請求書の内容や記載方法を誤ると信頼を損ねるだけでなく、契約そのものが不成立となることもあります。免税事業者が消費税を受け取る場合には、請求書の「備考欄」にその旨を明記するなどの対策が求められます。
Q. 免税事業者のままで不動産を売却するとどんな損失リスクがありますか?
A. 免税事業者のままでは、買主がインボイス発行を求める法人の場合に契約から除外されるリスクがあります。法人による事業用不動産購入の7割以上がインボイス対応を重視しているというデータもあり、免税事業者は取引機会そのものを失う可能性が高くなっています。加えて、消費税を誤って請求・受領した場合には返金義務や税務署からの指摘リスクもあり、契約書不備によって税務調査で追徴課税を受けるケースも発生しています。制度理解とリスク対策が不可欠です。
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